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2008年2月 5日 (火)

創元SF文庫が面白い

今、ちょっと気にしている文庫がある。
東京創元社の創元SF文庫である。

世間の風潮からすれば「売れ線じゃねぇ!」という代物をとにかく文庫化してくれる。
以前記事にした「未知への飛行」の原作(ネタバレのタイトルだけど明かしてしまえ…『未確認原爆投下指令 フェイル・セイフ』という題名)も邦訳している。

SF雑誌が複数の出版社から発行されていた頃、ある意味で日本の作家が台頭していた時代、日本の作家には目もくれず(鼻もひっかけられず…が実態だったのかもしれないが…)海外SFの邦訳に絞り込んで出版を続け、ブームが去った後も頑固に継続していたのがこの文庫だった。

それが、田中芳樹の『銀河英雄伝説』を再々文庫化し、今度は眉村卓の『司政官全短編 (創元SF文庫 ま 1-1)』を文庫化した。
かなり嬉しいことだ。
『銀河英雄伝説』は、まぁビデオも売れたそうだから商売として成り立つと踏んだのだろう。
『司政官』は驚いた。
日本SFで避けては通れない作品群とはいえ、映像化されたわけではなく、はっきり言って…地味…な作品。
官僚制度に題材をとり、官僚制度の中で葛藤する主人公(複数)を描いたこのシリーズ。
ハヤカワで『引き潮のとき』が販売終了となってから、入手を諦めていた。
この勢いで、同じ作者の手になる『EXPO’87』や『産業士官候補生』、司政官シリーズの2長編、『不定期エスパー』も出してくれないかな?

この人のインサイダーSF論は、一時雑誌の紙面も賑わせてくれた。
不思議というか当然というか、この人に反論の陣を張った人の中にはアウトサイダーを気取りながらエンターテイメントの罠にはまり込み、後の作品が徹底的にインサイダー風味(古代ローマにおけるサーカス)になってしまった人もいる。…狼の時代までは良かったのだが<H氏

司政官も主人公はインサイダーなのに、作品に流れる空気はアウトサイドというか、体制批判のにおいがする。

田中芳樹氏なども、子供の頃、きっとこの人のジュブナイルを読んだのだろうなぁ…とうかがわせるにおいである。

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コメント

おまえ司政官のシリーズが早川以外から出ていたの知らないのかよ。
最初の単行本「司政官」はJDCという出版社が復刻した。
「消滅の光輪」はハルキ文庫で出た。
「引き潮のとき」は、いま黒田藩プレスというところから2巻まで出ている。
偉そうに嘆く前にこのくらいこと調べろ。自分の無知を恥じろ。アホめが。

投稿: 無知を嗤う | 2008年2月 7日 (木) 01時27分

無知を嗤うさま

貴重な情報をありがとうございます。
ただね、JDCや黒田藩プレスがどれだけメジャーか?
価格も含めての入手のしやすさ等…
そのあたりにも言及していただけると助かります。

あなたのように目配りの行き届いた方の助言をいただけるのは大変助かります…引き潮のときの1分冊が2000円超えてますね。

投稿: とみんぐ | 2008年2月 7日 (木) 06時24分

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