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2010年5月 9日 (日)

ソフトエネルギー・パス

kuronekoさんへのコメントレスです。(レスをエントリに仕立てる…これもリサイクルか?)

「ソフトエネルギー・パス」の邦訳は30年くらい前にありましたね。
学校の下級生(エネルギー工学課程在籍)から、「これからはこれだ!」と勧められて一読はしたような…。
当時としては、かなり過激な主張(完全な自給自足によるエネルギー消費)だったように記憶しています。
もちろん、今でいう所の「クリーンエネルギー」は研究途上であり、太陽光発電などの変換効率は、現在とは比較にならないようなものでした(とはいえ、当時ですら「原子力は未来が無い」と断言して原研から転身した教官が、学校の敷地に風車を立ててはいましたが…風車の直径は20mくらいだったかな、少なくとも先のエントリにリンクさせた先で問題となっている羽根(直径70m~80m)に比べると遥かに小さなものではありました)。
ただ、過激とはいっても、発電と言えば大規模火力や原発(発電量をコントロールできない=変動する需要に対応することにより、需要が低い時にはロスが出る)とは一線を画す発想であり、新鮮だったような記憶もあります。
少なくとも、「需要≒供給」ということのメリットは多いだろうなとは考えておりました。

ところで、夏になると東京電力のホームページに「でんき予報」というものができます。
工場やオフィスビルのエネルギー管理担当者は、毎朝これを見るのが日課となります。この予報を見て、今日は自家用発電機運転の依頼が来るかもしれない、運転可能かどうか最終確認が必要かもって具合でね。
今年はまだ始まっていませんが、これを見ると電力消費が天候によって著しく変わるということが良く分かります。しかも、この「でんき予報」…土日はお休みなんです。つまり、大都市部にある工場やオフィスの電力需要が大きいってことの間接証明なわけですね。しかもその値は晴れた暑い日に跳ね上がるんです。

(あぁ、例によって支離滅裂になってきた (笑))

私が太陽光発電に割と拘るのは、このあたりの数値を見るからなんですね。

「通りすがり」の方が、件の風力発電で発電した電力は伊豆で使う(≒だからエコなんだという主張と解釈しました)とは言ってもねぇ…伊豆地方の消費電力なんて、特に夏季の変動なんて、大都市部のそれに比べたら微々たるものじゃないかと思うんですよ<このあたり、東京電力に何らかの情報源があれば確定できるんですが、残念ながらこういった細かい地域別の売電量はすぐ見える場所には公開されてませんからね。
しかも、必要な時に必要な量を発電するというコントロールの点で、風力発電は柔軟性に欠けます。
適度な風が吹いていたら、必要じゃなくても発電してしまう。しかも、それが発電所として「系統送電」の要素になっているからある意味始末に悪い。まぁ、巷で話題の地球温暖化対策としては、原発や火力発電よりはましですがね。原発なんて、原子炉の運転を停止していても冷却水の循環のために電気を使う=その電気を作る火力発電所がくっついているという、悪い冗談とも思える現実があるわけですし。

で、大都市部の大口需要家について…
中の人なら大抵承知の事実なんですが、「情報化産業=エネルギー大食らい産業」なんですね。
工場がエネルギー大食らいというイメージがあるんですが、二次産業だと自前の発電所を工場の中に設置しているところが多いんです。≒自前の発電量で足りない分を電力会社から買うというパターン。
むしろ、情報産業の方が電力会社にとっては大口のお客様なんです。
何に使うかというと…機械そのものの電力消費もさることながら、機械の冷却も馬鹿にならないんです。
なにしろ、最近の情報通信設備は電力をバカバカ貪り食らいます。そしてガンガン発熱します。
冷却能力は(乱暴な言い方をすれば)外気との温度差に依存し、この温度差が小さいほど電気を食らう仕組みになってるんです。
しかも、情報産業の設備は街の中にあって、自前の発電所なんかとても作れないんです。
(一応、非常用発電機は必ず付いてますが)
そういった情報産業の施設の外観は割と身近に見えます。
詳細は避けますが(通産省のお触れでその種の施設の住所は曖昧にすることが望ましい@テロ対策となっていた時期がありますんで)、横浜駅西口の近辺とか、厚木インターの近辺とか…あぁ東京駅の近辺にもありますね。
見てみると判るんですが、まさしく「箱」…窓が殆ど無い建物なんですね。これ、テロ対策だけじゃなく、外来電波雑音の遮蔽、冷房効率のアップ、もちろん建物構造の強化等々の理由により、窓が極端に少なくなってるんです。
この壁面を太陽光発電パネルで覆うという発想もかなり前から研究され、某通信会社では商品化されてたりします。
こういうニーズには太陽光発電が適しているわけですよ(まぁ耐用年数やら保守コストやらの問題はあるにせよ)。なにしろ、一番電気が欲しい時=晴天の暑い日なわけですから。
少なくとも、人口の集中している場所では風力発電よりはまし…と考えるわけですな。

また通りすがられても面倒なんで、ちょっと追加
風力発電は建設費が安い=これは同意
しかし、ヨーロッパと日本では自然環境が異なる。ヨーロッパで成熟しコスト削減(高効率化)が図られてきた風力発電も、その環境下で最適化されたものだという視点は忘れてはならない。
少なくとも、通りすがりで毒を吐く前に地球儀を見て、日本と欧州の緯度の違い(日照条件の違い)位は考慮してもらいたいものである。
さらに、「何が何でも系統送電」という発想自体が時代遅れだ。
前記のとおり、建築設備に太陽光発電パネルを取り付けることにより需要の一部を賄う事例が既に出てきている。また、太陽光発電は既存の建築物の屋根や壁面という設置スペースが大きな口を開けて待っている。
太陽光発電が風力発電に比し、現時点に限れば建設費において高コスト構造であることは否定しないが、それこそ需要の拡大による量産効果というものに期待すべきだと考えている。

(暴走ついで)
「地球温暖化対策=CO2削減」というところに、私はものすごく胡散臭さを感じている。
件の風力発電にしても、行政のCO2削減施策にそって、手っ取り早く「やってます」という実績を作るにはもってこいなのである。地道に太陽光発電パネルを各戸の屋根を借りる交渉をして設置して…というよりはね。
そういう「手っ取り早さ」に飛びつくこと自体が、手段と目的を混同することにつながっているのではないだろうか?

あ~~前回のコメントにも書いたけど、コメントでの捨てハンはご遠慮願いますからね(一応IPは判るからご注意くださいね)

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