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2010年12月 4日 (土)

コンサートに行ってきた(中島みゆきツアー2010)

雑誌ダ・ヴィンチの記事に書かれてるように、

だから、私が見ているのとまったく同じ青空をあなたにも見せるってところが完成地点ではないんです。それは洗脳だもの。青の中には私は私の思い入れがある、あなたにはあなたの思い出がある、その2つが混じったとき、また違った青空が生まれるかもしれない、それを一緒に見ようねってこと。
(発行:メディアファクトリー、雑誌名:ダ・ヴィンチ 2010年11月号 19頁掲載)

みゆきさんの、このスタンスの取り方がいいんだなぁ。
だから、あたしはあたしの見た青空を書いているわけだ。

さて、今回のステージ、そこにどんな寓意を見出すか…みゆきさんの歌だけじゃなく舞台に繰り広げられるさまざまなもの、その中に何を見出すか、そうやって見つけたものがその人の青空なんだと思う。

導入曲の今日以来
アルバムの乗りで一気に盛り上がる…と思ってたら、いきなり肩透かし。
なんか、ステージとPAの呼吸が合ってない印象。
みゆきさんの歌唱のテンポと微妙にずれてPAの音が出てくる(これ、最後までそうだった)。
まぁ、おかげで生に近い音が聴きとれた…と思うべきなんだろうなぁ ^^;

私的には、ここでずっこけた分、前半がなんとなぁく盛り上がりに欠けたまま過ぎてしまった。
翼をあげて愛が私に命ずること、悪い曲じゃないんだけどストリングスがないとなぁ。
(みゆきさんの曲は初期からストリングス重視のように思うんだが)
“2夜目では席が舞台から離れたせいか、すんなり聴けた。あそこだと前は案外悪い席だったりして?”

とはいえ、二隻の舟<コンサート初公開>は、しみじみ~~としながら、舞台の演出に圧倒された。
みゆきさんが歌い終えて衣装替えの間、演奏に載せて、(生で見たわけじゃないが)夜会のショットを舞台奥に投影。
あたしの記憶では「花の色は…」「シャングリラ」「240(2400かも?)」のショットは使ってた。後は…DVD見直そう。
舞台やDVDで夜会を見てきた人には判るというトリック。(一応歌い終えた後みゆきさんが説明はしたけど)
アレンジは「夜会の軌跡」で使ってたもののように聞こえた。

サバイバル・ロードは前半で唯一ガナり系の曲なんだけど、二隻の舟時刻表に挟まれるとなぁ…
とはいえ、この曲で今回はステージ(照明)に凝っていることにようやく気付く。
2007で大量に投入したストリングスを省略した分、舞台奥に空きができて、ここをスクリーンにしてるんだ…と。
舞台奥に投影された二つの光がなにやら怪しげな動物の眼に見えるのだ。
曲の中に込められたイメージとぴたり。
このあたり専門家なら「基本技法、初歩の初歩」と仰るところだろうが、私は素人である。
それにしてもこの選曲、歌唱とMCのジェットコースター<みゆきさんが最初に宣言>
なんか、往年のANNみたい。
前半の〆が夜曲なんで、本当にANN気分になってまた~り。

<まったりとしながら前半終了>

前半のまったりとした、消化不良のような気分に若干の不安を感じながら、後半開幕

ここからがジェットコースターの本番だった。

真夜中の動物園
前半終了時に舞台中央から退出したみゆきさん、今度は同じ場所に派手な衣装で片膝をついている。
ここから歌いながら舞台の前に歩み出てくるのだが、この時の計算されつくした動き方はコンサートじゃなくて演劇の範疇のような気がする。
実際この歌の後のMCで、夜会と区別がつかなくなってきたなんてことを言っちゃうし。

作ったご本人は「軽い曲」なんていうけど、
夢だものは軽くないんだよなぁ<私には。

でもって、次に来たのがしあわせ芝居
うわぁぁぁ、なんだ、このしっとりとしたアレンジは(実はこれ、桜田淳子の歌は覚えてなかったりする^^;)。
銀の龍の背に乗ってに続く。
この2曲は結構ヒットしたから、ある意味軽いっちゃ軽い…?

と、ここで舞台の大道具にひねりが入っていることに(今更)気付く。
今回の舞台、ゲート様の柱を数段、遠近を強調するように入れている(前半は3、いや4だったかな?後半は2)。
後半で新しく最奥に置かれたゲートが、それまでのものと違ってる。
他のゲートは角柱の組み合わせで所々モルタルが剥げたような仕上げなのに、ここだけ円柱の滑らかな銀色仕上げ。
あたかも動物園の手すり…
さて、ステージのミュージシャンや私たち観客は手すりのどちら側にいるんだろう?
舞台の奥に投影されている画は水平にところどころ輝いて、まるで海から陸地を眺めたように見えるからなぁ。
ひょっとして、「人間だって檻の中にいる動物の1種に過ぎないんだ」っていうメッセージか?

で………
ここからが問題。

Nobody Is Right
この曲の歌詞が一部変更されているのは、ネット情報で知っていた。

単語の流れとしては、アルバムの方がすんなりしてるんだけどね。
「戦争」という生々しい単語に変えて、この曲成り立つんだろうか?って思ってた。
やっぱりアレンジ変えてきた(2007の「地上の星」に匹敵する変更)。
ゴスペル調で観客との一体感を醸成。コーラスの坪倉さんの歌唱がゴスペルをより強調させる歌い方。
このアレンジなら、確かに「戦争」でも「あり」かな。
※ツァー開始時には可能性のレベルでしかありえなかったことが隣国で起きている今、この歌詞の重みは増している。
 もともとこれは宗教に肯定・否定の意味を持たせた戦争(現在進行形)に対するアンチだったわけで。

この曲の後に顔のない街の中でがくるのは、定番かもしれないが、良い!!
前の曲のリズムに場内が乗っているところに隙を与えず始まるからねぇ。

場内どわぁ~~~と盛り上がったあと…

若い時に歌った歌(傾斜)を引き合いにして、実際に歳をとってわかってきたこと…「歳をとるのは、素敵じゃないことがてんこ盛り、だけど…素敵なことも、ちょびっと、ほんのちょびっとだけど…必ず…ある」というような内容<これが、みゆきさんのしみじみとした語り口と相俟って、あたしゃ絶句。三十年以上、一線で活躍してきた人の言うことだからねぇ…説得力が半端じゃない。
ここで歌いだしたのが鷹の歌(もう、ここで涙腺が緩み始めた)

そして…「人は生ものです。明日のことなんか、誰にもわかりません。一歳の人も、百歳の人も…明日のことなんかわかりません。(そんな不確かな生を生きている私たちが何かの縁で)今夜お会いできてうれしゅうございます…」(←断っとくが、一言一句こう言ったわけじゃないよ)と語り、アカペラで歌い始めた…
時代(はい、涙が止まりませんでした!)

この選曲だと、アンコールは余計だったかも?
いや、クールダウンには良かったかもしれん。涙目を明るい場内照明に晒すのはちと…^^;

んでもってね、今回の演目を思い出しながら書いてるとみゆきさんのブレのなさが際立つんだなぁ(これ、以前のエントリでも書いたけど)。
みゆきさんの歌には、特にラスト3曲は歌っている時の表情が…
ピシッと前方を見据えて静かに私たち聴衆に突き付けてくるものがある。

みゆきさんの見た空をドーンと突き出して「さぁ、これがあんたにどう見えてる?それとも、何にも見えてない?」と真摯な問いかけがされているようだ。

でもね、今回の選曲・トークや舞台セットの凝り方から…
みゆきさんの活動スタイルが新しい段階を模索しているような気もする。

二隻の舟がコンサートで歌われたこと、コンサートの〆が時代だったこと、かな~り古い曲が出てきたこと…諸々考えると、夜会開始の時に言われてた「コンサートでも演劇でもない言葉の実験劇場」…来年には、また新しい実験の経過を見せてくれるんじゃないか?とも一ファンとしては期待したい。

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